Walk slowly, don't run

街の風が少し冷たい。
でも、手のひらの中は温かい。
タンブラー越しに伝わるぬくもりが、
今の私にはちょうどいい。

問題はいくつもある。
でも、今すぐに答えを出さなくてもいいでしょう？
焦ったって、どうせすぐには解決しないんだから。

Walk slowly, don't run

閉まったシャッターに、誰かの衝動が書きなぐられている。
意味不明な言葉。でも、なんだか少しだけ共感する。
「私もこんなふうに、心の中の言葉をぶつけてみたいな。」

風に揺れる広告スタンドの旗が、静かにささやいている。
「こっちへおいで」とでも言うように。
でも、私はまだ決められない。

タンブラーをそっと口元へ。
冷めかけたコーヒーが、ちょうどよい温度になっていた。

そう、きっと答えも同じ。
少し時間を置いて、ちょうどいいタイミングで見つかるもの。

「もう少し、歩こうかな。」

コーヒーのぬくもりとともに、この街をもう少しだけ漂ってみる。

==この写真について==

正に急がば回れ、ですね。きっとその内に良い解決策が見つかると思います。そんな彼女の心の内を察してあげてください。そう、時にはそんな風に街を歩いてみるのも楽しいですよね。もしかして、これは小さな幸？