スクランブル交差点で、私は立ち止まる。
夕方の街は、少しずつ光を灯し始めている。
けれど、私の心の中はまだ暗いまま。

スマホの画面に、未送信のメッセージが浮かんでいる。
何度も書いては消して、また書いて。

「ごめんね」って送ればいいの？
でも、私だけが謝るのも何か違う気がする。
それとも、もう少し時間を置いた方がいいのかな。

頭の中で言葉が渦を巻く。
でも、どの言葉も、なんだかしっくりこない。

目の前を通り過ぎる人たちは、誰も私を気にしない。
無関係な言葉たちが通り過ぎるように
無関係なひとたちが、ただ流れていく。

私は…どうしたらいい？

ふと顔を上げると、ネオンがひとつ、またひとつ灯っていく。
街が夜に向かって形を変えていくように、
この気持ちも、もう少し時間が経てば、
ちゃんと整理できるのかもしれない。

送信ボタンに触れかけた指をそっと離し、
私は深く息を吸った。

===この写真について===

ぜひ彼女の心の内を感じて、やさしく見守ってあげてください。イージーな解決策はそう簡単には見つからないかも知れません。

周りの通行人は誰も彼女には無関心ですが、少なくとも私たちは彼女を見守る事は可能です。そうすれば、同じように、無関係な言葉の中にも、偶然が起きて何かヒントが見つかるかも知れません。